ふじかわ心療内科クリニック

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マイナートランキライザーの処方指針

マイナートランキライザーの処方指針

1.マイナートランキライザーとは
抗不安薬(精神安定剤)、睡眠導入剤に分類される薬剤。
大多数がベンゾジアゼピン(Benzodiazepine;BDZ)系の薬剤。

2.具体的なマイナートランキライザーの商品名
BDZ系抗不安薬:デパス、ソラナックス(コンスタン)、セルシン(ホリゾン)、ワイパックス、リーゼ、メイラックス、セパゾン、レキソタン、ランドセン、その他
BDZ系睡眠導入剤:ハルシオン、ユーロジン、ロヒプノール(サイレース)、ベンザリン(ネルボン)、レンドルミン、リスミー、ロラメット(エバミール)、その他
非BZD系睡眠導入剤:マイスリー、アモバン、

3.マイナートランキライザーの薬理作用
抗不安作用、催眠作用、抗てんかん作用、筋弛緩作用などの薬理作用がある。
しかし、抗うつ薬(うつ病治療薬)、気分安定薬(躁うつ病治療薬)、抗精神病薬(統合失調症治療薬)などの治療薬とは異なり、精神疾患の治療薬ではない(服用しても病気は治らない)。
つまり、各種精神疾患の治療に際しては一時的・補助的にのみ用いる薬剤である。
日本では他の先進国と比べマイナートランキライザーの処方が圧倒的に多いことが指摘されている。

4.マイナートランキライザーの問題点
1) 短時間作用型のデパス、ソラナックスの依存・乱用
短時間作用型薬剤は短時間で効果が切れるので服用回数が次第に増えて依存・乱用に至る危険性がある。他の薬剤と比べ依存行動に走り精神的依存を生じる。
2) 眠気、記憶障害、集中力の低下
仕事や勉強において記憶障害によりケアレスミスを生じる。
3) 若年者の大量服薬の危険性
大量服用により意識障害を生じて、救急病院ICUへ搬送される危険性がある。
特に境界性人格障害患者や手首自傷患者では興奮、暴力、自殺企図などの逸脱行動を促す危険性。
4) 奇異反応
不安を軽減する目的で使用しても、逆に焦燥感、易怒性、感情易変性が強まる場合がある。
5) 高齢者における物忘れ
高齢者(特に脳卒中患者)に使用すると物忘れを助長し、認知症の悪化、せん妄の誘発の危険性が高い。
6) 高齢者におけるふらつき、転倒
筋弛緩作用のためふらつきを生じやすく、転倒して骨折する危険性がある。
7) アルコールとの併用は禁止
アルコールと併用すると記憶障害、奇異反応を生じやすくなる。
8) 自動車運転は禁止
集中力が低下するため事故を起こしやすくなる。
9) 夜間摂食障害と健忘
ハルシオン、マイスリーでは夜間に過食し、それを翌日思い出せないというエピソードが頻発する。

5.マイナートランキライザーの処方指針
1) 脳卒中患者、認知症患者には一切処方しない。
2) 依存・乱用を生じやすい短時間作用型のデパス、ソラナックスは処方しない。
3) ハルシオン、マイスリーは処方しない。
4) 処方が必要な場合には長時間作用型の薬剤(メイラックス、ランドセン)を、a)できるだけ少量、b)できるだけ短期間に限って処方する。処方しても可能な限り短期間で減量・中止するよう心がける。
5) 新たなマイナートランキライザー依存患者は絶対に作らない。